株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部SEMストラテジスト 伊藤明子
倶楽部NP NEWSをご愛読の皆様、こんにちは。 今までの回で、リスティング広告の媒体特性、キーワード選定、広告文作成方法等についてご説明をしてまいりましたので、今回は、それらをまとめてリスティング広告全体の最適についてお話を致します。
■リスティング広告を実施する目的を再確認する
ネットショップを運営されている目的は、皆様それぞれでいらっしゃると思います。企業のお客様であれば当然利益を追求する必要があるでしょうし、個人のお客様であれば、ほんの少しでも商品が売れて稼げればいい、という方や自分の商品を世の中に知らしめたい、など、色々なケースが想定されます。 リスティング広告の費用対効果を最大化することによって、ネットショップ運営の目的のうち、「何を」「どの程度まで」達成したいのか、まずは整理をしてみましょう。
■目標値を定める
目標の内容には、「ブランディングのためにサイトへの流入数を増やしたい」「商品販売点数を増やしたい」など様々なケースがありますが、今回はWeb上での成約数(購入や問い合わせなどのゴールに達した数)を最大化することを目標として掲げるケースを想定して、ご説明を致します。 成約数を最大化したい場合、以下2パターンの目標設定方法があります。
1件成約するにつき、広告コストを○○円以内におさめたい、という場合の目標設定方法です。 成約数を最大化しても、1000円の商品を1件販売するにあたり10万円の広告費用がかかっていては、効率のよい運用であるとはいえません。成約1件あたりの広告コスト目標値を定めてその範囲内で運用しながら、成約数の最大化を目指します。
Cost Per Acquisition (Acquisition=獲得)のことを示しており、略してCPAと呼びます。 例: 100万円(コスト)÷100件(登録件数)=10,000→CPA(成約単価)=10,000円
月間○○万円の広告コストをかけて、○○万円の売上をあげたい、という場合の目標設定方法です。「様々な商品をサイトでとりあつかっているため、一概に1件あたりの成約コストを目標にできない」といった場合は、こちらの目標設定方法が適しています。
Return On Ad Spend (投資した広告費用の回収率)を示しており、ROASと略します。例えば、10万円の広告コストを投入した場合、商品の仕入れの値段やその他経費・粗利の金額を含むと、最低いくらの売上があれば、投資対効果としてOKと判断できるか、といったことを検討した上でROAS目標値を設定します。 例: 50万円(売上)÷10万円(コスト)=5(500%) 広告掲載料1円あたりの売上→500円
(図参照)
目標値をどちらの方法で設定するかを決め、まずは具体的に「月間○円のコストをかけて、CPAを○円まで改善したい、ROASを○%まで引き上げたい」「そのためには、月に最低○件の販売が必要」など、目標値をわかりやすくブレイクダウンするといいでしょう。
■要改善ポイントを見極める
目標値を定めたら、現状と目標値のギャップを確認した上で、どのポイントを改善していくべきか決めましょう。着目するポイントは、大きく以下の4点です。 ※ここでは、購買件数・申込件数などのことをまとめて成約件数(=Conversion 略して「CVs」)という名称で呼びます。
成約件数を構成している数値の要素は、クリック数と成約率であり、成約件数=クリック数×成約率で算出されます。つまり、クリック数か成約率をアップさせれば成約件数をアップさせることが可能なのです。
成約率とは、成約件数(CVs)/クリック数*100 で算出される指標のことを示しており、1クリックあたり何件の成約が発生するかを示します。仮に月に100件のクリックが発生し、1件のCVsが発生しているのであれば、現状の成約率は1%です。
成約率は、誘導するサイトページがキーワードのニーズにあっているか、購入ボタンがわかりやすい位置に配置されているか、といったことによって変動します。仮に成約率が1%で固定なのであれば、単純にクリック数が2倍になれば、獲得件数も2倍になるはずです。
クリック数は、広告の表示回数とクリック率によって構成されています。クリック数=広告の表示回数×クリック率 です。(クリック率は、クリック数/表示回数*100 )。
クリック率は、掲載順位や、競合他社がどの程度出稿しているかによるため、一概にはどの程度が普通であるとは言えませんが、出稿しているキーワードのうち、最もクリック率の高いものと最もクリック率の低いものを比較してみるといいでしょう。
クリック率の低いキーワードでは、掲載順位が低すぎる、広告文の内容が検索キーワードに適していない、などの問題点が発見できるはずです。
クリック数を稼ぎたくても、クリック単価が高すぎて予算内ではそれほどクリック数を増やせない、というケースもあります。
どういうキーワードのクリック単価が高いのかを確認した上で、ビッグワードで無理に上位に広告を表示させていないか、広告文には適切に検索キーワードが盛り込まれて品質スコアを高めているか、といった点を確認してみましょう。
※品質スコアについては、Overtureスポンサードサーチ、Googleアドワーズ広告に関する回でご説明しています。
そもそも広告の表示回数が少なすぎるために、たとえクリック率が高くても、CVsを獲得するに至るほどクリックが発生していないケースもあります。
キーワードの掲載順位が低すぎないか、出稿しているキーワードが限定的すぎてあまり検索されないキーワードなのではないか、確認してみましょう。場合によってはキーワードの追加が必要です。
問題点を発見し、それぞれのポイントに対してトライアンドエラーを繰り返しながら最適化を行っていくことにより、目標達成に近づいていくことができるはずです。
今回は、目標達成に向けたリスティング広告の改善手法についてご紹介致しました。まずは、「どれくらいの投資に対してどれだけの売上が欲しいのか?」「月に商品を何点売ることができれば投資対効果がOKといえるのか?」という目標値を定めるところからはじめてみましょう。目標と達成のための手段が明確になれば、「売上倍増!」は目の前です。 次回は、SEOのテクニックについてご紹介いたします。